スキンケア
アトピー ・ ニキビなど皮膚のトラブルが長い間治らずにお悩みではありませんか? 慢性皮膚病の場合は病院の外用薬による治療だけではなく、体質改善を図る漢方薬や食生活の改善、それに正しい皮膚の手当ての方法 (スキンケア) が必要になります。
漢方薬その他による、慢性皮膚病やトラブル肌への対処法
われわれの皮膚は、ただ単に表面を覆っているのではなく、次のような大切な役割を行っています。
正常な皮膚と乾燥性皮膚の構造
慢性的なトラブル肌への対処法
白ニキビ(面皰)
毛孔がつまって少し化膿した状態です。炎症が軽いのでそれほど赤味は目立ちません。俗にいう
いう面皰(めんぼう)と云う状態です。ニキビの初期で、洗顔やイオウ製剤で毛孔のつまりを取
ってやると改善して行きます。
多く、ニキビの盛り上がりもそれほど激しくはありません。顔の皮膚に熱が鬱滞していますので、
盛り上がり、つながりのあるニキビ(湿熱型)
ニキビが盛り上がったりつながっている場合は、多くは深いところで化膿や炎症を起こしていま
す。深い部位なので外から薬を塗っても浸透せず、治りが悪い場合が多い様です。また炎症や
化膿がひどいとニキビを押した時に痛かったり固いしこりが見られます。うっ血や化膿の状態を
改善させる漢方薬を用いて治して行きます。
ロン酸や尿素配合の製剤及び、皮膚のバリア機能を高める天然ツバキ油などを併用して行きます。
4.手掌や足蹠(足の裏) の角化症
アトピーの1典型として発症する場合が多いのですが、角質の下に炎症が起きており、強い熱の
鬱滞が存在しています。この熱の鬱滞を去る漢方薬処方を用いて治して行きます。
※ 以上にご説明した症状は、皮膚病やトラブル肌のごく一部ですが、
この他にも漢方薬やスキンケアにより改善する症状が多くありますので、
慢性的な皮膚のトラブルにお悩みの方はぜひ当薬局へ御相談ください。
慢性皮膚病改善のための正しいスキンケア
多くの場合、皮膚病の治りを悪くする原因の一つに 「爪を立てて掻いてしまう事」 があります。掻き続けると皮膚表面のバリアや角質層を壊してしまい、すると水分を保持することが出来にくくなるほか、雑菌やアレルゲン等が侵入しやすくなるので、元の正常な皮膚の状態に戻ることが難しくなります。皮膚の清潔を保ち、また保湿により痒みを抑えてなるべく掻かない様にする事が皮膚病の治りを助ける近道です。では正しいスキンケアについて御説明いたします。
(1)外用薬よりも保湿でかゆみを抑える様に心掛けましょう。
痒くなるとすぐにステロイド外用剤を塗ってしまう方が見受けられますが、ステロイド外用剤は
血管収縮の作用がありますので、強い作用の製剤を連用すると皮膚の正常な機能を低下させて
しまいます。痒くなったらまず保湿などの手段で痒みを抑え、それでも抑えられない時にウィー
ククラスの弱いステロイド剤を最小限使用する様にしましょう。
(2)入浴時の注意
ナイロンタオル等で強くゴシゴシとこすらない様にしましょう。低刺激性の石けんを泡立てて、
その泡で軽くこするだけで1日の皮膚の汚れは落ちてくれます。また反対に石けんやシャンプ
ーを全く使わない方が良いと信じている方も見受けられますが、特に頭皮では皮脂が空気に触
れて酸化し、その刺激で脂漏性湿疹を起こしている場合もあります。シャンプーや石けんは有
害成分の少ない低刺激性のものを選び、爪を立てずに指の腹で頭皮をマッサージする様に
洗いましょう。
(3)かゆみが出る前にスキンケアを
アトピー性皮膚炎などの慢性湿疹では、日中よりも夕方〜夜中にかゆみが出る場合が多いもの
です。これは皮膚が汗を蒸発させる発散の働きと関係があります。従ってかゆみが出始める前に
保湿を行うとかゆみの出現をある程度抑えることが出来、爪を立てて掻いて悪化させるのを予防
する事が出来ます。
ステロイド外用剤の功罪
また、2002年に「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」という標準治療の指標が策定される以前は、それぞれの医師が独自の考えで治療を行っていましたので、中には適切ではないステロイド外用剤の使用のケースも有った様です。
アトピーに限らず、皮膚病を悪化させる最大の原因に、痒さのあまり爪を立てて掻いてしまう事があります。せっかく治りかけた表皮組織をまた壊してしまい、雑菌やアレルゲンが侵入しやすい状況の繰り返しとなってしまいます。ステロイド外用剤は根本的な治療が期待出来るものではありませんので、痒い時に症状を抑えて掻かなくとも済む様にするという目的が達成出来る強さのものであれば良いと思います。ステロイドを使用する以前に、痒みが有る時には先ず保湿などの手段を試みて、それで治まらない時に初めて弱いステロイドから使用して行くのが良いでしょう。乳幼児や、成人でも顔の皮膚の場合はミディアムクラスのステロイドでも長期に亘るとWDD (ステロイド離脱皮膚炎) を引き起こしますので注意が必要です。
皮診に合わせた基剤の選択
皮診に合わせた基剤の選択が大事
皮膚病に用いる外用剤(軟膏・クリームなど)は、基剤と呼ばれる物質の中に薬剤成分を混合させて製品が造られます。しかし患部の状態に適した基剤のものを使用しないと順調に改善して行かないばかりか、反って悪化させてしまう場合もあります。特に、病院で処方される医療用の外用剤では基剤の種類が少ないために、その結果必要以上に効果の強いステロイド外用剤が処方されているケースも少なくありません。
(軟膏基剤の使い分け)
紅斑 | 丘疹 | 小水疱 | 膿疱 | びらん | 結痂 | 落屑 | 苔癬化 | |
ワセリン基剤 | △ | ○ | ○ | × | × | △ | ○ | ○ |
クリーム基剤 | ◎ | ◎ | △ | × | × | △ | ○ | ○ |
ゲル化炭化水素基剤 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |