健康づくりは食から
現代では昔に比べて食生活は大変豊かになりましたが、反面、昔からの伝統的な日本食が敬遠されるようになりました。その結果、本来の日本人の身体の特性には好ましくない食生活が普通になってしまい、それが長い年月続いた結果、若い世代や子供たちを中心に、昔には無かった健康面のさまざまな問題が出始めています。
それらの具体的な例を以下にご説明いたします。当店では常に食の問題を考えていますので、漢方相談においても早く良くなって頂くために、食生活のアドバイスを差し上げています。
食の養生
東洋医学では、薬(漢方薬)と食事とを車の両輪にたとえ、どちらも大変重要なものと位置づけています。
薬 : 病気や症状を治すもの
食 : 健康な身体をつくるもの
また、食は世界中でそれぞれの民族が長い年月にわたって継承して来た文化であると共に、各地の気候風土でそれぞれの民族が健康に過ごすための智恵の結晶でもあるのです。インドのカレーや韓国のキムチなどがその例です。
しかし最近の日本では、美味しさ、便利さ、安さが尊重されるあまり、昔からの伝統的な日本食が敬遠され、その結果特に若い世代や子ども達を中心に、健康面において様々な問題が出始めています。アトピーや花粉症、不妊症や習慣性流産、精神神経症状などの患者の急増のほか、病院で診断が付かず 「原因不明」 「気のせい」 とされたもののとにかく調子が悪いと云う半病人状態の人が増えています。これらの現象は、日常の食生活の乱れや誤りと密接な関係があります。
食養アドバイザー 横田高太郎の一口アドバイス
日中医薬研究会認定の食養アドバイザー横田高太郎が、
健康をつくる食生活の知恵をご紹介して行きます。
納得できて簡単に実行できることから先ず始めましょう。
長い年月の間には、これが大きな差となって現れるのです。
注意したいトランス脂肪酸の害
油のとり過ぎが良くない事はもちろんですが、最近の研究ではトランス脂肪酸と云われる種類の油脂が悪玉コレステロールを増加させて心筋梗塞などのリスクを高めるほか、アレルギー症状の悪化や認知症(ボケ)の原因につながるということが判明しました。
※トランス脂肪酸を多く含む食品
・マーガリン ・クッキーやクラッカー ・アイスクリーム
・レトルトカレー ・油で揚げたスナック菓子 ・ハンバーガー
・フライドチキン ・フライドポテト など
一般的に熱が加わって調理された油脂にはトランス脂肪酸が多く発生します。このほか、主に外食産業で使用されている業務用油脂にはトランス脂肪酸が多く含まれています。アメリカではこの問題を重要視し、ニューヨーク市は2009年までに市内全てのレストランやファーストフード店でトランス脂肪酸を原則的に使用禁止にするよう条例を改正しました。
※トランス脂肪酸を多く含む食品
・マーガリン ・クッキーやクラッカー ・アイスクリーム
・レトルトカレー ・油で揚げたスナック菓子 ・ハンバーガー
・フライドチキン ・フライドポテト など
一般的に熱が加わって調理された油脂にはトランス脂肪酸が多く発生します。このほか、主に外食産業で使用されている業務用油脂にはトランス脂肪酸が多く含まれています。アメリカではこの問題を重要視し、ニューヨーク市は2009年までに市内全てのレストランやファーストフード店でトランス脂肪酸を原則的に使用禁止にするよう条例を改正しました。
食事かお菓子か判らない食生活の若者が増えてきた
最近では、菓子パンやお菓子で食事を済ませるという食生活の人が、若い世代や子ども達に増えています。時々ならまだしも、ほぼ毎日そのような食生活を続けていたらどうなるのでしょうか?
身体を正常に機能させるビタミンやミネラルの不足を始め、よい血液をつくる緑の野菜や、便を出し腸をキレイにする食物せんいの不足、また食品添加物の摂り過ぎなど、このような食生活ではさまざまなマイナス面が発生し健康を害してしまいます。まさに10年後は「神のみぞ知る...」になってしまいます。また、カルシウムが不足すると精神状態が不安定になります。最近の青少年の凶悪犯罪の増加や、小中学生で落ち着きのない子、すぐキレる子の増加や、授業が成り立たない学級崩壊などの現象は、食生活の乱れと無関係ではありません。
身体を正常に機能させるビタミンやミネラルの不足を始め、よい血液をつくる緑の野菜や、便を出し腸をキレイにする食物せんいの不足、また食品添加物の摂り過ぎなど、このような食生活ではさまざまなマイナス面が発生し健康を害してしまいます。まさに10年後は「神のみぞ知る...」になってしまいます。また、カルシウムが不足すると精神状態が不安定になります。最近の青少年の凶悪犯罪の増加や、小中学生で落ち着きのない子、すぐキレる子の増加や、授業が成り立たない学級崩壊などの現象は、食生活の乱れと無関係ではありません。
日本の気候風土と「水毒」の害
日本の気候は四季があり、また1年を通じて湿度が高いのが特徴です。このような気候風土に生活する日本人は、当然湿度の影響を強く受けますので、われわれの祖先は湿度による健康への影響を防ぐために、伝統的に次のような工夫で湿度から身を守ってきたのです。そのいくつかの例をご紹介します。
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・ | 日本建築の家は木造で障子やふすま、畳があります。これらは湿度を吸収して上手く逃がすのに適しています。一方で明治時代には、欧米に習いレンガ造りの建築物が多数建てられましたが、日本の高い湿度の元ではせいぜい百年間の保存にも耐えられず、その多くは現在では残っておりません。 |
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日本の夏は蒸し暑く過ごしにくいのですが、日本伝統の和服は風通しが良く、汗を早く乾かすのに優れています。夏でも和服や浴衣は快適に過ごせます。
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さて、このような多湿の気候に住むわれわれは、水分の取りすぎに注意する必要があります。欧米やオーストラリアなどの乾燥した気候のもとでは、水分を多く飲んでも汗がどんどん蒸発してしまいますが、日本では多く水分を飲みすぎると、身体の中に排泄し切れない水分が多く残り、さまざまな害を引き起こしてしまいます。これを水毒(すいどく)と言います。
日本人の症状には、原因の一つとしてこの水毒が関与している場合が多いのです。 |
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水毒が原因の代表的な症状 | ||||
・むくみ | ・内蔵下垂 | ・慢性の頭痛や頭重 | ||
・ 身体の冷え | ・めまい | ・おりもの(女性) | ||
・ 神経痛 | ・せき、喘息 | ・子宮の後屈(女性) | ||
・ 鼻炎や花粉症 | ・関節リウマチ | ・不妊症(女性)など |
正しい塩の選び方と摂り方
塩分は身体に良くないものと思い込んではいませんか?今から約440年前の戦国時代の昔に、名将上杉謙信がライバルの武田信玄に「敵に塩を送った」話は有名ですが、人間の身体が正常に働く為には、ある程度の塩分は必要なものなのです。
少々汚い話で恐縮ですが、人間の身体から排出される水(汗・小便・鼻水・涙)はみな塩辛いものです。これは塩分がないと不要な水を排出できない事を示しています。
ではなぜ現代医学では、塩分の摂取量が少ないほど良いと云われるのでしょうか?これは西洋医学の常識をそのまま日本人に当てはめようとした弊害なのです。狩猟民族である西洋人は肉をたくさん食べます。また、パンを主食とし、それにバターを塗って食べていますが、肉の中にも、またパンやバターに塩分が含まれていますので、それ以上に塩分を摂るならば1日10グラム以下で十分であるとの計算なのです。
一方で、日本人は米を主食とし、肉の食べ方も多くありません。また日本は湿度が高く汗をかきやすいので塩分の排出量も多いのです。したがって日本の気候風土においては、あまり徹底した減塩は塩分の不足を招き、その結果漢方で言う「水毒」(身体に不要な水が多いために起こるさまざまな症状)を引き起こしてしまいます。
少々汚い話で恐縮ですが、人間の身体から排出される水(汗・小便・鼻水・涙)はみな塩辛いものです。これは塩分がないと不要な水を排出できない事を示しています。
ではなぜ現代医学では、塩分の摂取量が少ないほど良いと云われるのでしょうか?これは西洋医学の常識をそのまま日本人に当てはめようとした弊害なのです。狩猟民族である西洋人は肉をたくさん食べます。また、パンを主食とし、それにバターを塗って食べていますが、肉の中にも、またパンやバターに塩分が含まれていますので、それ以上に塩分を摂るならば1日10グラム以下で十分であるとの計算なのです。
一方で、日本人は米を主食とし、肉の食べ方も多くありません。また日本は湿度が高く汗をかきやすいので塩分の排出量も多いのです。したがって日本の気候風土においては、あまり徹底した減塩は塩分の不足を招き、その結果漢方で言う「水毒」(身体に不要な水が多いために起こるさまざまな症状)を引き起こしてしまいます。
こうすれば身体に良い塩分の摂り方
1 塩は専売公社の塩化ナトリウム塩ではなく、海水のミネラル分を豊富に含む自然塩が良い。
2 カリウムはナトリウムの排泄を助けます。従って野菜や果物など、カリウム分を豊富に含む植物性のものを心掛けて食べる様にしましょう。
2 カリウムはナトリウムの排泄を助けます。従って野菜や果物など、カリウム分を豊富に含む植物性のものを心掛けて食べる様にしましょう。
香辛料(スパイス)の効用
さまざまな食物のうちで、動物性のタンパク質は腐敗した時に強い毒素を発生します。果物やモチにカビが生えたものを誤って食べても大事に至りませんが、肉や魚や卵の腐ったものを食べてしまった場合の食中毒は生命の危険となります。
さて、われわれの腸の中は体温よりも温度が高く、大体40度近くあります。ここへ生のお刺身や寿司ネタの生の海産物などが入って来たらどうなるでしょうか?...もちろん、たちまち腐ってしまいます。すると腸の中では毒素を多く発生し、また腐敗菌などの悪玉菌が増加して大腸ガンの危険性も高くなります。また肝臓はこれらの毒を解毒するのに余分に働き負担が掛かります。
それではなぜ、欧米人などの肉食民族は日本人の何倍も肉を食べて平気なのかと云うと、それには民族による体質の違いがあります。肉食民族は何千年もの間肉を食べて来た歴史がありますので、これらの毒を早く排泄するために腸の長さが短くなっています。また、動物性タンパク質が腸の中で腐った時の毒を消すために、欧米人は肉類を食べる時には必ず香辛料(スパイス)をふんだんに用いて食べているのです。
さて、われわれの腸の中は体温よりも温度が高く、大体40度近くあります。ここへ生のお刺身や寿司ネタの生の海産物などが入って来たらどうなるでしょうか?...もちろん、たちまち腐ってしまいます。すると腸の中では毒素を多く発生し、また腐敗菌などの悪玉菌が増加して大腸ガンの危険性も高くなります。また肝臓はこれらの毒を解毒するのに余分に働き負担が掛かります。
それではなぜ、欧米人などの肉食民族は日本人の何倍も肉を食べて平気なのかと云うと、それには民族による体質の違いがあります。肉食民族は何千年もの間肉を食べて来た歴史がありますので、これらの毒を早く排泄するために腸の長さが短くなっています。また、動物性タンパク質が腸の中で腐った時の毒を消すために、欧米人は肉類を食べる時には必ず香辛料(スパイス)をふんだんに用いて食べているのです。
これに対して日本人は穀物や野菜、海産物が中心の食生活が長かったため、腸の長さが欧米人に比べるとかなり長くなっています。この状態で肉類などの動物性タンパク質を多く食すると、排泄されるまでの時間が長いために毒素を吸収しやすいのです。その結果日本人の大腸ガンの発症率は増加しています。
肉や魚、卵などの動物性タンパク質のものを食べる時は、必ずコショウやワサビ、七味唐辛子やショウガ等の香辛料(スパイス) や薬味を一緒に摂りましょう。
ゴマ、ハトムギ、ハチミツで元気に...
毎日の食事で、三食とも栄養バランスを調えたものを用意することは難しい事です。現代の忙しい生活ではなおさらです。
しかし、次に挙げるゴマ・ハトムギ・ハチミツを毎日少しずつでも常食していると、食生活のバランスの偏りや欠点をフォローし、病気になりにくい身体をつくるのに役立ちます。
しかし、次に挙げるゴマ・ハトムギ・ハチミツを毎日少しずつでも常食していると、食生活のバランスの偏りや欠点をフォローし、病気になりにくい身体をつくるのに役立ちます。
ゴマ カルシウムのほか、ビタミンEなどの抗酸化物質(身体のサビを防ぐ)を豊富に含みますので、活性酸素の害による動脈硬化や細胞のサビを予防し、生活習慣病の予防や改善に役立ちます。 |
ハトムギ ハトムギは体内の余分な水分を小便として排泄する効果があるほか、穀物の中では栄養素のバランスに優れていますので、湿度が高い気候に生活する日本人の健康維持には最適の食品です。 |
ハチミツ ハチミツはカルシウムのほか豊富なミネラル分を含んでいますので、白砂糖や人口甘味料に代えてハチミツを用いると、健康の維持にすぐれた効果を発揮します。 |